素材管理ソフトと偽る最高のファイル管理ソフト「Eagle」のすすめ
以前までNextcloud(いわゆるNAS、ファイルサーバ)をセルフホスティングして、古より伝わるディレクトリ分割によるファイル管理を行っていました。
しかしながら、セルフホスティングしていたサーバがラズパイで、スペックと速度が不足しており相当なストレスを感じていました。また最近引っ越しもあったため、よい機会だと思い、ホスティングしていたノードをシャットダウンしました。
セルフホスティングを止めて以降は、外付けHDDに大量のデータをディレクトリに分類して放り込み続ける事を続けていました。しかし、どこになんのファイルがあるのか見失う上、面倒くさくて適当な命名規則で放り込み続けたために、もはやどれがどの時点のファイルで何に利用したものか分からなくなっており、我慢の限界を迎えました。
そこでニ週間ほどどうにかしてファイル管理手法やソフトを探し続け、素材管理ソフトと公式ウェブサイトで堂々と嘘をつきながら、実は最高のファイル管理ソフトであった「Eagle」を発見しました。
普段、この手の記事は案件じゃなければ、避けているのですが、普通に最高のソフトウェアを見つけたと大喜びしているので、皆さんにおすすめしておこうと思います。
記事内の画像について
流石に普段どおり使っている中身を晒すわけにはいかないので、VMに新規インストールしたEagleの画像を使用しています。 インストールされているのは試用版ですが、製品版と大きな差はありません。
ソフトをおすすめする人
- 画像や文書、ドキュメント、動画など多岐にわたるファイルを効率よく、手っ取り早く整理して管理したい人
- ファイルをディレクトリ分割ではなくタグなどで細かく分類したい人
- 軽量なGUIで手軽に一連の動作を行いたい人
- 多種多様なファイル形式を閲覧できるようにしたい人
- NASやクラウドからローカルでファイルを管理するように移行したい人
とりあえず用途が色々思いつきますが、私が解消したかった課題は主に上記のとおりです。これらを課題として抱える人は、ぜひ一度使ってみて欲しい。
価格
私がファイル管理手法を模索する際に、重視するポイントの一つが価格です。
個人的な価格に対する感覚は、ファイル管理のためにいくらかのお金を払うことは許容できる。しかしながら、払い続けることは許容できない。
以上のような感じであり、クラウドを使ったファイル管理は速攻で対象外となります。
この記事でおすすめする「Eagle」はこの点を見事にクリアしています。
価格は$29.95となり、$1=¥130で計算した場合、日本円で3,894円となります。
この価格でありながら、買い切りであり、追加費用不要で全機能へのアクセスが可能、将来のアップデートへのアクセスも可能。しかもWindowsとMacに対応しており、2ライセンスが付与されます。
更にこれが驚いたのですが、ライセンスの再アクティベートが無制限です。元々、2台のパソコンで使っていて、どちらかが壊れて新たなパソコンへ移行した場合でもライセンスを有効化することができます。
ちなみに2つ以上のライセンスが必要な場合、$15.0で追加購入可能なようです。
システム要件
要求されている要件は少し、高いです。とは言っても型落ちパソコンで全然動きます。あまりにも古いパソコン(例えば、自作erが好む、Intel4世代とか)だと動かせないです。
最低動作環境: Windows CPU:Intel Core i3 7100/AMD Ryzen 3 1200 以上 GPU:Intel® HD Graphics 630 以上 必要メモリ(OSも含む):4 GB RAM 以上 ディスク:読み取り/書き込み速度が 50MB /秒以上 OS:Windows 10 以降 macOS CPU:1.4GHzデュアルコアIntel Corei5以上 / Apple M1 GPU:ntel® HD Graphics 630 以上 必要メモリ(OSも含む):4 GB RAM 以上 ディスク:読み取り/書き込み速度が50MB /秒以上 OS:macOS 10.13 以降
推奨環境: Windows CPU:Intel Core i5 7400/AMD Ryzen 5 1400 以上 GPU:NVIDIA GeForce GTX 1050、AMD Radeon RX 470 以上 必要メ モリ(OSも含む):16 GB RAM 以上 ディスク:SSD、350MB /秒より速い読み取り/書き込み速度(最高のエクスペリエンスのため) OS:Windows 10 以降 macOS CPU:2.4GHz Quad-Core Intel Core i5 以上 GPU:Intel® Iris Plus Graphics 640 以上 必要メモリ(OSも含む):16 GB RAM 以上 ディスク:SSD、350MB /秒より速い読み取り/書き込み速度(最高のエクスペリエンスのため) OS:macOS 10.14 以降
これは執筆時点の情報ですので、最新情報は以下からご確認ください。
この手のソフトウェアは、CPUやメモリと同じぐらいストレージのI/Oも重要となります。ディスク速度もちゃんと考慮して使うことをおすすめします。
一応、以下に私のPCスペックを示しておきます。
OS: Windows 11 Pro 64bit CPU: AMD Ryzen 7 5700X 8-Core Processor 3.40 GHz GPU: NVIDIA GeForce RTRX3060 メモリ: 32GB ディスク: 外付けHDD(USB 3.0)
- ディスクについての詳細はベンチマーク取れていないです。気が向いたら掲載します。
macでも動作検証しようと思ったのですが、ちょっと諸事情により検証していません。気が向いたら後日検証します。
データの保存形式
Eagleではライブラリという名前で、ファイル管理グループを作成可能です。 各ライブラリにそれぞれ好きにファイルを取り込んでいくことができます。名前は好きに選び、保存先もそれぞれ個別に好きな場所を選択可能です。
ライブラリはファイルのように作成されますが、実態はディレクトリであり、中身を普通に開くことができます。
Windowsエクスプローラ上では、下記のように表示されます。 中身は以下のようになっています。 私にとっての最適解は発見できていませんが、もしバックアップが必要な場合、ただのディレクトリですので、まるごとクラウドストレージなどに保存すれば、すべてを保存することが可能です。また、移行する場合でも、ライブラリをまるごとコピーすれば、他のコンピュータへ移行することができます。
ファイル管理ソフトって変に独自形式使っていたり、ある場所に保存されたファイル類をパスで管理していたりすることがあり、リンク切れで使い物にならなくなることが稀にあります。ただ、Eagleであれば、ライブラリで一括管理されており、中身をいじらない限り原則としてリンク切れが発生しません。
ライブラリへのインポート
とりあえず膨大な画像やファイルをすべて取り込みたいとしましょう。
やり方は非常にシンプルです。 ライブラリを作成した上で、すべてのファイル・ディレクトリをエクスプローラ上で選択して、ドラッグアンドドロップしてください。ウィンドウ下にプログレスバーが表示され、すべてのファイルをインポートすることができます。
この手のソフトウェアあるあるなんですが、インポートする際に重複ファイルをインポートすることがあります。Eagleは重複インポートした場合であっても、すべて警告し、新しいものを保存するか、片方保存するかの選択が可能です。 意外とこの挙動をちゃんとしてくれないソフトウェアが存在するので、ポイントが高いです。
ただ個人的には、新しいファイルに置き換えるオプション(タグなどを継承)、置き換えた場合に現在と過去の画像の差分を表示できる機能がほしいですね。
Google Driveには類似する機能がありますが、Eagleでは残念ながらこのような機能はありませんでした。差分はむずかしいにしても、新しいものへ置き換えるオプションは欲しいですね。
それでもUIも見やすく処理が高速なので、高評価です。
インポートテスト
Unsplashから999枚の画像をダウンロードし、それらの画像情報を保存したjsonファイルをEagleにインポートしてみました。ファイルサイズは約3GBです。
ベンチマークを取ったりしたわけではありませんが、インポート時間の感覚は知れ るかと思います。
画像のエクスポート機能
動画を編集していたり、ウェブサイトを作りったりしていると、画像を特定のフォーマットに変化したい事があります。
これまで私はオンラインの画像コンバータで、JPEGをPNGに変換したりしていました。正確に細かなフォーマット指定をしたい場合は、Affinity Photoで編集して、エクスポートするというとんでもなく面倒くさいプロセスを通っていました。しかし、Eagleならインポートされた画像をフォーマットを指定し、変換した上でエクスポートすることが可能です。 画像を選択した上で、右下エクスポートボタンからエクスポート形式を選択可能です。これめちゃくちゃ便利です。
一回一回ブラウザやAffinityを開く手間が省けて、変換の処理待ちをする必要がなくなりました。
ビュアー
Eagleでは様々なファイルフォーマットを取り込むことができます。Eagle 3.0からは、すべてのファイルフォーマットに対応しています。
そうなると、欲しくなるのがビュアーです。いくらファイルをソフトで効率よく管理できても中身をプレビューしたい時に、すぐにできなければ結局ストレスです。
Eagle はビュアーも内蔵しており、例えば文書の代表格であるpdfはすぐ表示できます。 経済産業省 DXレポート https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf 動作は非常に快適であり、ブラウザを開く手間が省けます。私が手元で開けたpdfを複数個表示しましたが、表示に問題があったファイルは存在しませんでした。
pdf以外にも、画像はもちろん、動画やテキストなんかも対応しています。テキストは編集もすることができ、軽量なテキストエディタとしても扱えますね。 ただ、当然のように開けないファイルも存在します。その場合はエクスプローラと同様に、右クリックでほかアプリケーションから開くことが可能です。
しかし、ビュアーに関して、一点不満点があります。マークダウンファイルに対応していません。割と有名なファイルフォーマットであり、中身はただのテキストファイルです。プレビューは無いにしても編集と閲覧ぐらいはデフォルトでできるようにしてほしいですね。 まあアプリケーションで開ければ、いいだけではあるものの、ちょっと気になった点でした。